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 学大音楽部 44年の歴史と伝統

とある部員から分厚いファイルを借り受け、夜中に読み漁ってみました。
そこには、歴代のパンフレットやポスターが何枚も収められていました。…内輪のソロコンサートのプログラムなんかもありましたね(笑)
さて、この度はせっかくなので、そのファイルから得た知識を書き纏めておくことにします。


音楽部の発祥は遡ること40数年…するとまだ戦後間もない頃なんですね。
資料から確認できた最古の広告は、1965年11期の『かぐや姫』のポスター、創作オペラです。
この頃から「音楽部」という呼称は用いられていましたが、現在のそれとはまったく異色のもの。
当時は楽器経験者が少なかったからでしょうか、音楽的道具は己の肉体のみだったようです。(ピアノはあったかも)

12期から、辛夷祭芸能プログラムとして出演している音楽部のパンフレットの資料が見受けられます。
その頃から徐々に、ピアノ、フルート、クラリネット、バイオリン…などという楽器の名称がちらほらと現れ始めました。
その成長は国の発展、学校の拡大に伴っていたのでしょう。
部員数も増えていき、音楽部=オペラという初期の形式も固まってきました。

オペラが拡大するということは、コーラスの強化もありますが、その裏打ちとしてオケの発展が欠かせません。
すなわち、部が拡大するにつれ、現在の形式であるオーケストラも徐々に強化されていきました。
このことは、1977年の23期辛夷祭パンフレットに記載されている顧問の先生による言葉からも分かります。

「本日のオーケストラは、昨年度から部内に常設され、将来に独自の演奏会を開きたいと希っているものです。
 これらの部活動をより発展させるために必要な、良い音楽室や練習室が新しく建てられれば、
 校外公演という永年の夢もかなえられるかも知れません。」
(23期辛夷祭パンフレットより抜粋)

このように、23期の時点で―全体数こそ少ないですが(当時オケは25名、コーラスは17名程度でした)、オーケストラの形が完成していました。
当時にしてみても、一般的な音楽部といえばオケの演奏会が主流で、オペラは極めて珍礼でした。
その頃から、おそらく指導者の心のどこかには、オケとコーラスそれぞれを独立して活動させていきたいという想いがあったのでしょう。

その後も音楽部はみるみるうちに拡大していき、部員80余名を数えるようになりました。
また、1981年の3月に別館が完成し、4年前は机上の空論でしかなかった“新”音楽室及び合奏室が設立されます。
このこともあり、音部オペラ時代は波に乗って全盛期を迎えます。
四半世紀の壁も乗り越え、「辛夷祭といえば音楽部のオペラ」とも称されるまでに至りました。すごい!
資料によれば、新聞や雑誌、テレビなどのメディアに取り上げられることもしばしばだったとか。さらにすごい!

しかしながら、その盛り上がりが仇となって音楽部は衰退していかざるを得なくなります。
勢いに乗り、その荒々しい若さで初演作品やその他珍しい作品に取り組む意欲を見せるも、
かつてのような完成度を作ることができないことがいくつかあったのです。

「本邦初演物や、それに近い珍しい作品が登場して、時々失念する曲目が多くなったのも事実です。」
(38期辛夷祭パンフレットより抜粋)

またこの頃、部内の発展にも差が生じ初め、38期の時点ではオケ51人、コーラス9人という編成でした。
音楽部はここで岐路に立たされたようです。
オペラを存続するか、オペラをやめて新しい形式に挑戦するか…。
しかし、この「新しい」形式は、15年前の「夢」でもありました。

そこで音楽部は大きな決断をし、1993年に第1回定期演奏会、そして「演奏会」という名で辛夷祭公演を試みました。
本格的オペラは、コーラスの人手不足により存続が困難と判断されたためです。
従来の名物であるオペラ公演はここで断ち切られましたが、逆に言えばここから新たな「音楽部史」が始まったのです。

独立した当初はまだ不安定で、人数に矛盾した大曲に挑むケースもたくさんありました。
ですが場数を踏むことで段々と板につき始め、定期演奏会でアンサンブルを公開できるほど人数も安定してきました。
この辺りでようやく、現在の「音楽部」のスタイルが確立されてきたんですね。思えば割と最近の話です。

そうして音楽部は、かの有名な「のだめ」によるクラシックブームの波にも便乗し、劇的に発展。
オーケストラのみで70、80余名にもなる、文化系最大規模の部活までに成長したのです。


こうして考えてみると、当たり前だと思っていたオーケストラ形式の音楽部は、まだまだ走り始めなんですね。
「オーケストラの独立」というひとつの夢が叶った今、23期の時点でのもう一つの夢、「校外公演」を達成するべく、がんばれ!音部!

文責:53rdVn. 村瀬

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